2022-10-26 Wed
9月に開催される予定だった藤崎宮秋季例大祭の神幸行列が台風のために延期となり、石神山公園探鳥会の開催日と同じ日に行われる事となった為、交通の乱れが予想され、参加者は少ないのではないかと危惧していたが、そんな心配をはねのけるような25名の参加があった。秋に入り、冬鳥が来始め、暑すぎず寒すぎず、探鳥会にはもってこいの日よりとなった。集合場所の駐車場で挨拶をしていると、参加者の後ろを「チー」と鳴いて、カワセミが飛んでいった。挨拶もそこそこに歩き始める事にした。丘の上に上がると桜の枝にジョウビタキ♀の声と姿、すぐに飛び去ったが代わりにホオジロ♀が留まってくれた。少し歩くとカラスザンショウの木に小鳥の姿。葉陰をちらちらと動いて姿がよく見えないが、声などからキビタキ♀と思われた。更に歩くと、シロハラの「ツイー」という声が聞こえた。そこから約300段の階段を上ると山頂だ。ちらほらと小鳥の声を聞きながら息を弾ませながら登る。標高125mの山頂からは、市街地が見え、金峰山も見えたりするが、今日はちょっと霞がかかっているようで、景色が少し白っぽく霞んで見える。小鳥の姿はあまり見えない。仕方がないので、あまり時間を置かずに下りる事にした。途中でヤマガラの声が聞こえた。公園の中央池まで下りてくると、池の柵にハクセキレイが2羽留まっていた。熊本の繁華街では一年中見られている留鳥だが、ここでは10月頃から3月頃までしか見ないので冬鳥と云えよう。秋の野草「萩」の群落などを見ながら、池を廻っていると猛禽が飛び出し、空を舞い始めた。皆で話しあった結果、ハイタカではないかという事になった。
中央池を周り終わって、叢桂園の方へ向かった。途中にはクサギの花が咲いたりしている。たくさんのヒヨドリの声を聞きながら下りていき叢桂園に出た。門をくぐり、庭園に入る。ここは江戸時代、村井氏という医学者の住居跡。その庭園が熊本市に寄贈され、それを市民に開放しているようだ。曲水の宴が出来るような流れも作ってある。苔むした感じの所もあるが、今はイノシシに荒らされ、そこに雑草が生えてきている状態で、ちょっと残念だ。次に釣耕園に入った。池にはキセキレイが歩いていた。庭の樹木の間から、ヤマガラ・シジュウカラ・エナガ・メジロなどの声や姿がちらちらと見える。釣耕園の生け垣にはキンモクセイとギンモクセイが植えてあって、その香りにも秋を感じる。釣耕園を過ぎて、麹川に架かる橋を渡ると少年自然の家跡地湧水地だ。綺麗な清水が湧いてきている。そこから20段ぐらいの階段を上り古庄公園へ出た。ここは普通の公園だが、大木がいくつもあり、その枝にはカラスの古巣も散見される。そこを下りて、うっそうとした竹林を通り、百梅園に出た。たくさん植えてある梅の枝にジョウビタキが留まり、地面にはキセキレイの姿が見えた。
結局、秋の自然は満喫できたものの、冬鳥の姿はジョウビタキぐらいしか見る事が出来なかった。しかし、これから冬鳥がどんどん増えてくるので、今からが楽しみなのではないかと思う。スマホの歩数計アプリを見たら、探鳥会全行程の歩数は約8000歩、歩いた距離は約4.4キロとなっていた。
[確認種]
キジバト,アオサギ,ハイタカ,カワセミ,コゲラ,アオゲラ、モズ,ハシブトガラス,ハシボソガラス,シジュウカラ,ヤマガラ,ヒヨドリ,ウグイス,エナガ,メジロ,シロハラ,ジョウビタキ,キビタキ,スズメ,キセキレイ,ハクセキレイ,カワラヒワ,ホオジロ 以上23種
メジロ 撮影 I.M

ハクセキレイ 撮影 I.M

ジョウビタキ♀ 撮影 I.M

ハイタカ 撮影 I.M

キセキレイ 撮影 I.M

エナガ 撮影 I.M
